2023年7月30日の礼拝宣教から

「自分の心をのぞいてみよう」 ヨハネの手紙一3章4~10節

津村春英牧師

 心は昔、心臓にあると考えられていて、心という漢字は心臓の形から来ていると言われます(白川静『常用字解』)。現代人は、思考することや、感情の管理などは脳の働きによると知っていますが、心臓も感情の変化に敏感に反応します。心は命に関わります。

 「子どもたちよ、誰にも惑わされないようにしなさい。義を行う者は、御子が正しいように正しい人です。」(3:7聖書協会共同訳)とあります。「子どもたち」とは神の子どもとされているキリスト者全員です。「惑わされないように」というのは惑わす存在があるからです(cf.2:18反キリスト)。「義を行う」とは、主イエスがそのご生涯において、徹頭徹尾、父なる神の御心に従いとおされたように、私たちも神の御心を行うことです。

さらに、「神から生まれた人は皆、罪を犯しません。神の種がこの人の内にいつもあるからです。」(同9)とあります。「種」ギリシア語スペルマはヘブライ語ゼラー(旧約聖書では主に、子、子孫の意)の訳語ですが、「神から生まれた」と同じ意味です。だから、罪を犯すことが出来ないというのです。自分の心をのぞいてみましょう。心は、主イエス・キリストの十字架の救いによる喜びと感謝で満たされていますか。悪魔は心の空洞に入り込んでくるのです。