「カインのようになってはいけない」 ヨハネの手紙一3章11~12節
津村春英牧師
今日、8月6日は広島に原爆が投下された日です。かつてはこの季節、「原爆をゆるすまじ」という歌をよく歌いましたが、最近は聞かれませんし、替わる歌もないように思います。「三たび、ゆるすまじ原爆を」という歌詞が印象的です。人類は過去から学ばねばなりません。
今日の聖書の箇所に、「カインのようになってはいけません。彼は悪い者から出た者で、自分の兄弟を殺しました。なぜ殺したのでしょうか。自分の行いが悪く、兄弟の行いが正しかったからです。」(3:12)とあります。この背景は創世記4章にありますが、行いが正しいか、悪いかというのは神の評価です(cf.ヘブライ11:4)。「正しい」とは、神の御心を行うことであり、神に喜ばれる生き方です。そのうちの重要な一つが、「兄弟を愛する」ということです。「カインのようになってはいけない」とは、殺人者になってはいけないというより、カインは兄弟を憎み、兄弟を愛せなかった、そういうカインになってはいけないということです。さらに読み進むと、「『神を愛している』と言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません。」(4:20)とあります。愛することです。愛することです。愛することです。カインのようになってはいけません。