「決算の時」 ルカによる福音書19章11-27節
牧師 津村春英
明日は敬老の日です。長寿化が進み、高齢者と呼ばれる期間が長くなりました。要介護前で、加齢によって心身が衰える状態をフレイル(frailty:弱さ、もろさ)というそうですが、これには可逆性があり、適切な介入により改善が可能だと言われます。私たちは、信仰のフレイル状態に陥っていませんか。
人々に、何かが起こると思わせたエルサレムに主イエス一行が近づいたとき、主は一つのたとえを話されました。ある人が王位を得るために遠国に旅立つに際して(ヘロデ大王の死後、息子アルケラオスがローマに赴いたように)、10人の僕に1ムナずつ与え、帰ってくるまでにそれを用いて商売をするよう命じました。帰国するやいなや、それぞれに決算を求め、その成果に応じて報酬を与えましたが、ある者は、主人の思いを理解せず、布に包んでおいて、銀行にも預けず、何もしなかったので、取り上げられてしまう結果になりました。
このたとえの主人は神様を暗示していて、人には決算の時があることを教えられます。それは人生を終える時であり、何よりも最後の審判の時です。厳しい現実の中にあっても希望を失わず、神さまは愛のお方であると信じて疑わず、主イエス・キリストが開いてくださった救いの道を歩み続けましょう。