「むしろ末席に」 ルカによる福音書14章1-11節
津村春英牧師
安息日は十戒に定められ、文字通り安息の日であって労働が禁じられました。それは神さまの愛のご配慮でした。しかし、後に細則が加えられていき、安息ではなく窮屈な制度になり、いつしか律法の専門家やファリサイ派の人々がそれを監視するようになっていました。そんな中、主イエスは、安息日に招かれた食事の席で、水腫を患う人を癒されました。これは労働とみなされますが、規則より愛が優先されることをお示しになるためでした。
続いて、招かれた客が上席を選ぶ様子をご覧になり、婚宴の席に例えて、「招待を受けたら、むしろ末席に行って座りなさい。だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる」(14:10, 11)と言われました。これは単なる道徳訓ではなく、やはり愛の問題なのです。主イエスは、天の父のところ、つまり上席におられたのに、地に下られ、実に十字架の死という末席に座られたのです。「キリストは/神の形でありながら/神と等しくあることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして/僕の形をとり…/人間の姿で現れへりくだって、死に至るまで/それも十字架の死に至るまで/従順でした。このため、神はキリストを高く上げ/あらゆる名にまさる名を/お与えになりました」(フィリピ2:6-9・聖書協会共同訳)。模範を示された主イエス・キリストに続きましょう!