2025年5月11日の礼拝宣教から    

「かめの粉は尽きず」 列王記上17章8-16節

津村春英牧師

 古代北イスラエル王国の悪王アハブの時代にエリヤという預言者が立てられました。エリヤは王にこの数年間、露も降りず雨も降らないと預言し、逃亡の身となりました。主なる神は、まず彼の故郷近くのケリテ川の渓谷で烏(複数形、渡り鳥)にパンと肉を運ばせ、彼を養いました。次に、彼を異教の町シドンのサレプタの一人のやもめのところに向かわせ、そのやもめに水とパンを要求させます。実は、このやもめとその息子は大変貧しくて、その時、一握りの小麦粉とわずかな油をもって、薪二本でパンを作り、それを食べてしまうと、やがて餓死する運命にありました。しかし、「主がこの地に雨を降らせるまで、かめの小麦粉は尽きず、瓶(びん)の油がなくなることはない」(17:14)とのエリヤの言葉どおりになり、エリヤもやもめも息子も守られたのです。

 ところがこの後、その息子が大病を患って死んでしまうのです。母であるやもめはエリヤに因果応報を超えた救いを熱心に求め、ついに息子は生き返ります…。彼女の姿は私たちの母の姿のように思えます。そのような母に感謝したいと思います。こうして彼女はエリヤを通して愛の神を知りました。私たちはイエス・キリストを通して愛の神を知ります。心から感謝をささげましょう。