「イエスの系図」 ルカ福音書3章23-38節
津村春英牧師
NHKの番組に、有名人のルーツを調査し取材した「ファミリーヒストリ―」というのがあります。その人の現在の姿は先祖に起因するのではないかということを物語る番組です。他方、浄土真宗には位牌に替わる過去帳というものがあり、これによって、あるところまでの先祖に遡ることができます。
新約聖書のマタイの福音書には、アブラハムからイエスに至る系図があり、ルカの福音書には、イエスから始まりアダムそして神に至る系図があります。前者はユダヤ人イエスの系図であり、後者は神の子イエスの系図であるとの解釈がなされています。ところが、マタイ版では、イエスの父ヨセフの父がヤコブであるのに対して、ルカ版では、イエスはヨセフの子と思われる(処女降誕を暗示)が、ヨセフはエリの子とあり、両者は違っています。さらに、ルカ版にはイエスからアダムまで、77名の人物があげられていますが、必ずしも長男とは限らず、おまけにその約半数の名が旧約聖書には書かれていません。この系図は一体何を伝えようとしているのか、ルカは何ら説明をしていません。
さて、あなたの系図、私の系図も、別のラインを通ってアダムに至ることになるのですね。一人の人が救われ、その家族が救われていくことが期待されていますが(使徒16:31)、そのために、私たちは何をなすべきでしょうか。