「マリアの賛歌」 ルカによる福音書1章39~56節
津村春英牧師
あなたにとって嬉しいことは何ですか。何かを与えられたときですか。試験に合格したときですか。それとも宝くじに当たったときですか(年末ジャンボ宝くじ、…買っていないのに当たるはずがありません)。反対に、最もつらいこと、寂しいことは何ですか。…忘れ去られることではないですか。
天使ガブリエルから受胎告知を受けたマリアは、その話にあった親族のエリサベトを高地のユダヤに訪ねました。するとエリサベトの胎内の子がおどったので、エリサベトはマリアに言いました。「主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は何と幸いでしょう」(1:45)と。なお、下線部は原語や英語訳、ドイツ語訳にはなく、38節の希求法が示すように、マリアには不安があったかもしれないが主に身をゆだねたことからも、ことさら強調する必要はありません。
マリアは、「その憐れみは代々に限りなく、主を畏れる者に及びます。」(同50)「その僕イスラエルを受け入れて、憐れみをお忘れになりません。」(同54)と歌います。主なる神は、父祖アブラハムとの契約のゆえに、その民を決してお忘れにならなかったと歌っているのです。主を畏れる者、言い換えるなら、神を信じる者は、いつも、神に覚えられていて、時に適った憐れみを与えられるのです。心から感謝し、救い主の誕生を記念する日を待ち望みましょう!