2023年11月26日の礼拝宣教から

「マリアの献身」 ルカによる福音書1章26~38節

津村春英牧師

 収穫感謝礼拝はアメリカのThanksgiving Dayに由来し、それに相当するものとして、わが国の勤労感謝の日が、戦後のGHQの指示で制定されたということです。皆さんは感謝していますか。何に、そして誰に感謝していますか。

 主イエス・キリストの誕生に先立ち、天使ガブリエルは、マリア(旧約聖書のミリアムの訳語で「高い」という意味)に現れ、「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。…マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。」(1:28, 30, 31)と告げました。マリアは、「どうして、そのようなことがありえましょうか。」(同34、エルグレコの「受胎告知」はこのシーン)と応えましたが、ついに、「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」(同38)と言い、名前とは正反対に自らを低くして告知を受け入れました。「はしため」の直訳は女奴隷で、下線部はギリシア語の「希求法」で表現され、可能であるかもしれない未来への希望をもって、主に身をゆだねました。このようにマリアは、恐れおののきから、感謝、献身へと変えられていったのです。

 私たちも、どのような状況にあろうとも、主が共にいてくださり、恐れることはないと語りかけてくださいます。感謝しつつ、主の僕として歩みましょう。