「キリストが土台」 コリント一3章10-17節
津村春英 牧師
キリストの使徒パウロは、古代ローマ帝国支配下のアカイア州の大都市コリントで福音を宣教し、そこに教会が生まれました。しかし、パウロが去った後、一致が危ぶまれ、土地柄、不道徳も忍び込んできました(5~6章)。パウロは手紙を送り、こう言います。「わたしは、神からいただいた恵みによって、熟練した建築家のように土台を据えました。そして、他の人がその上に家を建てています。ただ、おのおの、どのように建てるかに注意すべきです。イエス・キリストという既に据えられている土台を無視して、だれもほかの土台を据えることはできません。」(3:10, 11)と。下線部の「熟練した」は「知恵のある」、「土台を据える」は「基礎石を置く」、「土台」は「基礎石」、「無視して」は「反して」の意味です。つまり、パウロが、神から知恵をいただいて据えたキリストという礎の上には、その礎にふさわしい、最後の審判にも耐え得る建物(教会)を建てることが求められ、これは、私たちにも適用されます。
ただし、この教会はキリスト者の集まりであって、目に見える建物を指していません。そして、驚くべきことに、その中に神の霊、聖霊が住んでくださる(同16)というのです。感謝とともに、私たち一人一人が聖霊に満たされ、キリストという礎にふさわしい教会づくりに励まねばなりません。