『ほかの人を遣わしてください』 出エジプト記4章10-17節
牧師 津村春英
昨今のコロナ禍で、開催の是非が問われた中、東京オリンピック2020が始まりました。かつて、「参加することに意義がある」といわれたオリンピズムでなく、やはり金(きん)を目指す戦いです。また、アスリートには気の毒ですが、コマーシャリズムのオリンピックは一考を要すると思います。
さて、あの偉大なモーセは、神から任務を与えられたとき、考えに考えました。それは彼の人生の大問題だったからです。「私は言葉の人ではなく口が重く舌も重いのです」という言い訳に対し、主が共にいてくださる、しかも雄弁な兄のアロンの助けがあると諭されます。しかし、「ああ主よ。どうぞ、だれかほかの人を見つけてお遣わしください。」(13)と執拗に拒絶します。
服部嘉明師は、ギデオン、イザヤ、エレミヤなどを挙げ、「神が使命を与えて人間を召し、お用いになる場合、…人間としての弱さや欠点をよくご存じでありながら…用いられることがしばしばである。」と書いています(『出エジプト記に聞く』pp.36-37』)。私たちにも弱さや欠点がありますが、主のご用に召されているのです。最後にモーセは、「あなたはこの杖を手に取って、しるしを行うがよい。」(17)と送り出されます。モーセは杖をもって、私たちは信仰をもって、さあ一歩を踏み出しましょう!