2021年7月18日の礼拝宣教から

一人も失うことがない』 ヨハネ福音書6章34-40節

牧師 津村春英

サッカーのFIFAワールドカップに出場したミャンマーの選手が、母国のクーデターに抗議の意思を示して帰国拒否をし、難民申請をしています。日本政府はどう対応するのでしょうか。

主イエスは、「わたしのもとに来る人を、わたしは決して追い出さない。」(6:37)と言われました。どういうことでしょうか。群衆が主イエスのもとにやって来て問答をします。主は、「神のパンは、天から降って来て、世に命を与えるものである」(32)と言われたのに対し、彼らは「主よ、そのパンをいつもわたしたちにください」(34)と言うと、主は、「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して乾くことがない。」(35)と言われ、「わたしをお遣わしになった方の御心とは、わたしに与えてくださった人を一人も失わないで、終わりの日に復活させることである。」(39)と言われました。この「失わない」という語は、有名な3:16の「滅びない」と同じ語で、これらは響き合っています。 ウイリアム・バークレーは、人が神を信じるのは、神は偉大で、すべてを超越して賢いからという理由だけでなく、わたしたちを理解する愛を持っておられるから、と書いています(『希望と信頼に生きる』柳生直行訳、pp.257-258)。「一人も失うことがない」、それは愛ゆえです。