2020年7月19日の礼拝宣教から

『勇気を出しなさい』  ヨハネ福音書16章25-33節

牧師 津村春英

史上最年少の17歳で棋聖のタイトルを獲得された藤井聡太さんは、「将棋は本当に難しいゲームでまだまだ分からないことばかり。これからも探究心を持って対局に臨みたい」と言っておられました…。人生は本当に難しい。わからないことばかりです。実に難解です…。「しかし、勇気を出しなさい」(16:33c)と主は言われます。ヨハネの福音書ではここだけですが、この語は、「元気を出しなさい」(マタイ9:2, 22)、「安心しなさい」(マタイ14:27、マルコ6:50; 10:49)などとも訳されています。「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」(16:33)と主は言われます。わたしによって(あって)という条件、つまり、ぶどうの木(15章)にしっかりとつながっているなら、どんな激しい雨も風も嵐の中でも心に平和が与えられ勝利にあずかることができるというのです。

スメタナの交響詩『わが祖国より』の第二曲「モルダウ」は流麗な旋律で癒されますが、第五曲「ターボル」は、ボヘミヤの宗教改革者で、火あぶり刑に処せられても信仰を捨てなかったヤン・フスとその弟子たちの行動を描いていると言われます。勇気をもって進みましょう。