『希望は失望に終わることがない』ローマ信徒への手紙5章1-5節
牧師 津村春英
今日6月14日は花の日・子どもの日と呼ばれ、19世紀中頃の米国の教会で始まりました。そして、今日は同時代に書かれた『アンクル・トムの小屋』の作者H.B.ストウ夫人の誕生日でもあります。敬虔な黒人奴隷トムの苦難の生涯を描いたもので、奴隷制廃止の気運を高めたと言われます。ただ、現代のアフリカン・アメリカンの人々には、主人公トムが主人(白人)にあまりにも従順なゆえに、ネガティヴな評価をされているようです。今や米国では、Black Lives Matter(黒人の命は大切)のスローガンを掲げ、5月のミネソタ州の黒人男性の死亡事件にも関連し、各地で抗議行動が続いています。
私たちは人生の苦難をどのように受け止めますか。使徒パウロはこう書いています。イエス・キリストを救い主と信じることにより、神との平和を得て、神の栄光にあずかる希望を誇りにします。それだけでなく苦難をも誇りにしますと。この苦難は複数形でパウロが経験した様々な苦難(例えばコリント二11:23-27)を意味していると思われます。苦難(単数形)は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生み出し、この希望は失望に終わることはありません。なぜなら聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからですと続いています。苦難の中にも希望を持つことができることを感謝します。