2019年10月27日の礼拝宣教から

『御言葉を聞いて悟る人』 マタイによる福音書 13章1-9節

牧師 津村春英

今週10/31(木)は宗教改革記念日です。マルティン・ルターの宗教改革は、神のみことばの復権でした。神のみことばを、種にたとえた話が、共観福音書のマルコ、マタイ、ルカのすべてに出てきます。ミレーの「種まく人」(1850年)の絵からイメージしながら読んでみましょう。

マタイによると、種を蒔く人によって蒔かれた種(複数)は道端に落ちました。すると鳥(複数)が来てついばんでしまいました。土の少ない岩地に落ちた種(複数)はすぐ芽を出しましたが日が昇ると枯れてしまい、茨のところに落ちた種(複数)は、茨が塞いで成長できませんでした。ところが、良い土地に落ちた種(複数)は成長して多くの実を結んだというのです。

これは、よく知られた、たとえ話です。種を蒔く人はイエスで、多くの人々に種が蒔かれました。この話の要点は、「良い土地に蒔かれたものとは、御言葉を聞いて悟る人であり、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍の実を結ぶのである。」(マタイ13:23)の「悟る」という語にあります。原語のギリシア語は、「一緒にまとめる」を意味し、理解する、悟ると訳されます。聖書のみことばを、上っ面だけで読み過ごしてはいけません。一面的ではなく、多元的、複眼的、総合的に読むことです。そうすれば、みことばが自分の内で成長し、豊かな実を結ぶに至るのです。