2019年9月22日の礼拝宣教から   

『パウロの私たちへの手紙』 テサロニケ信徒への手紙一2章1-12節

牧師 津村春英

「手紙」という名の歌がいくつかあり、感動を受ける歌もあります。使徒パウロはテサロニケのキリスト者に、「わたしたちは、キリストの使徒として権威を主張することができたのです。しかし、あなたがたの間で幼子のようになりました。ちょうど母親がその子供を大事に育てるように、」(2:7)と手紙を書きました。この「母親」の原語は、実母を含めた乳母を意味しています。また、「あなたがたが知っているとおり、わたしたちは、父親がその子供に対するように、あなたがた一人一人に」(同11)「呼びかけて、神の御心にそって歩むように励まし、慰め、強く勧めたのでした。御自身の国と栄光にあずからせようと、神はあなたがたを招いておられます。」(同12)と書いています。下線部の「神の御心にそって歩むように」は意訳で、新しい訳ではいずれも直訳的に、「神にふさわしく歩む」(協会共同訳、新改訳2017)となっています。ただ、「ふさわしく」は副詞なので、「神が期待しておられるように歩む」というように解釈してみます。このようにして、神ご自身の御国と栄光にあずかることができるのです。

この手紙は、「パウロの私たちへの手紙」でもあります。わたしたちが、―神の期待に応えるために、ときには父親として、また、ときには母親として、私たちを育ててくださっている存在があるのです。