『愛を知ってもらうために』 コリント信徒への手紙二1章23-2章4節
主幹牧師 津村春英
幼児虐待のニュースが絶えません。「しつけ」という名の虐待もあります。パウロはコリントの教会に、キリスト者たちの信仰が確立されることを願って手紙を書き送りました。「わたしは、悩みと愁いに満ちた心で、涙ながらに手紙を書きました。あなたがたを悲しませるためではなく、わたしがあなたがたに対してあふれるほど抱いている愛を知ってもらうためでした」(2:4)。
主イエスがエルサレムに近いベタニアに行かれた時、マルタとマリアの兄弟ラザロが死んで葬られたと聞き、「どこに葬ったのか」と言われ、人々が「主よ、来て、御覧ください」と言った後、「イエスは涙を流された」(ヨハネ11:35)とあります。これは愛の涙です。
肺癌で若くして召された原崎百子さんの手記に次のような言葉があります。「あなたがたは信ずるだろうか、この母があなたたちをこよなく愛していることを。一人一人を、どのひとりをもかけがいのないものとして、こんなにも切ない思いで愛していることを。…あなたがたが、この母の愛をもし信ずるならば、どうか信じてほしい、神様の愛を信じてほしい。一人一人をかけがいのないものとして、いつくしんでくださっている神様の愛を、信じて欲しい」(原崎百子『わが涙よ歌となれ』)。神様の愛に感謝し、周りの人を心から愛せるよう祈りましょう。