「すべての人のために」ヘブライ書2章 5-9節
津村春英牧師
京都の夏の風物詩、祇園祭が行われています。9世紀にまん延した疫病退散祈願が始まりだそうです。使徒パウロは「疫病のような人間」と非難されました(使徒24:5)。それは、当時の地中海世界で、主イエス・キリストによる救いを宣教してやまなかったからです。
ヘブライ書には、「イエスが、死の苦しみのゆえに、『栄光と栄誉の冠を授けられた』のを見ています。神の恵みによって、すべての人のために死んでくださったのです。」(2:9)とあります。主イエスの死の苦しみ、十字架は、「すべての人のため」であって、例外の人はいません。しかも、それは神の恵みとして、つまり神から無償で贈られていると告げているのです。そして、下線部は原文では、そのお方を「私たちは(今も)見ています」(現在形)となっています。
『人文知は武器になる』(山口周・深井龍之介対談、文春新書、2026)に、AIの進歩によって価値観が変わりつつある時代を生き抜くためには、「人文科学」の知見が必要であり、「すべての出来事は過去に起きている」(p.79以降)とあります。私たちキリスト者には、厳しい現実の中にあっても信仰に堅く立って希望を持ち続けた、信仰の先達がいます(ヘブライ11章; 12:1; 13:7なども参照)。私たちも、いつも主イエスを見つめつつ、希望を失わずに歩みましょう。