「神の憐れみ」 テモテ一1章12-17節
津村春英牧師
東太平洋赤道域のペルーやエクアドルの漁師たちが、クリスマスの頃に海水温が高くなり魚が捕れなくなる現象をエル・ニーニョ(スペイン語で男の子、イエス・キリスト)と呼び、昨年がそうであったようです。今年は逆に、海水温が低下するラ・ニーニャ(女の子)現象で、強い貿易風になり、遠く離れた西太平洋赤道域の海水温が上昇して熱帯低気圧が発生し、その豪雨や洪水によって東南アジア諸国に大きな被害をもたらしました。
聖書では、エル・ニーニョのイエス・キリストは、私たちに「救い」をもたらすお方で、「キリスト・イエスは、罪人を救うために世に来られた」(1:15)と書かれてあります。この「罪人」とは、新約聖書の源流の旧約聖書のヘブライ語ではハッタ―イーム(複数形)で、神さまからご覧になって、「的から外れている」、「失われている」(cf.ルカ15章、19章)状態の人々を指します。特定の人でなく、すべての人を意味しています。そして、その救いは人々の贖罪のために自ら十字架におかかりになるという方法によって実現するのです。神はすべての人を憐み、イエス・キリストによる十字架の救いという恵みを与えて下さっているのです。これがクリスマスのメッセージです。心から感謝するとともに、キリスト教会はこのメッセージを発信し続けなければなりません。