「神を賛美するために戻ってきた者」 ルカ福音書17章11-19節
牧師 津村春英
主イエスによって、10人の重い皮膚病(ヘブライ語でツァラアト、ギリシア語でレプラ、聖書協会共同訳では「規定の病」)の人が清められ、癒されました。そのうちのたった一人、しかもサマリア人が大声で神を賛美しながら主イエスの所に戻ってきて、足元にひれ伏し、感謝しました。そこで、主イエスから、「あなたの信仰があなたを救った」(17:19)とのお言葉をいただきました。
この話は「善いサマリア人」(10:25-37)の話とともにルカ福音書の特有の記事です。ユダヤ人はサマリア人を、その歴史的な背景(紀元前8世紀、サマリアの北イスラエル王国はアッシリアに滅ぼされ、宗教的混交に陥った)から嫌悪し、軽蔑していましたが、そのサマリア人の信仰が称賛されたのです。
主イエスは、誰に向かってこの話をされたのでしょうか。弟子たちに対して、ほかの誰よりも神様に感謝しなければならないのは、あなたたち自身ではないかと言われたのでしょうか(ユダヤの語源ユダは神をほめたたえる意。創世記29:35)。あるいは、次にも出てくるファリサイ派の人々に対してでしょうか。では、私たちはどうでしょうか。この教会に毎週、神を賛美するために、感謝をささげるために戻って来る者は誰でしょうか。