「いちじくの木のたとえ」 ルカによる福音書13章1-9節
津村春英牧師
世界各地で発生した大規模な森林火災がついに日本列島でも発生しました。人為的なもの以外に、極端な乾燥と強風が原因だと言われています。
主イエスは、何人かの者たちにお尋ねになりました。彼らが報告したピラトによる虐殺の犠牲者について、また、塔が倒れるという事故により死んだ者たちについて、他の人々より罪深かったからかと。イエスの答えは「決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」(13:3, 5)でありました。これは因果応報でなく、人の滅び(12:4参照)そのものについて言われたのであって、悔い改めることの重要性を説かれたのです。それは、続く「実のならないいちじくの木」のたとえにおいて顕著です。
十分な年数が経過しているのに、実を結ばないいちじくの木を切り倒せと命じられた園丁の願い、「御主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘って、肥やしをやってみます。そうすれば、来年は実がなるかもしれません。」(同8, 9)は、悔い改めの実を求める主イエスの思いでもあって、ルカ福音書の随所に見られる箇所(15, 16, 17, 19, 24章など)と響き合います。ただし、悔い改めとは自分を責めることではなく、主イエスを通して父なる神のもとに帰ることなのです(上記下線部13:3, 5のヘブライ語訳)。