「今の時代に対するしるし」 ルカによる福音書11章29-36節
津村春英牧師
聖書で「しるし」と訳されている原語は「セーメイオン」で、神が行われる奇跡を指します。主イエスの当時の人々はとかく「しるし」を求めました。それに対して主は、「ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない。つまり、ヨナがニネベの人々に対してしるしとなったように、人の子も今の時代の者たちに対してしるしとなる。」(11:29-30)「また、ニネベの人々は裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。ニネベの人々は、ヨナの説教を聞いて悔い改めたからである。ここに、ヨナにまさるものがある。」(同32、下線部は「復活する」の意味もある)と言われました。預言者ヨナによって異邦の国のニネベの人々が悔い改めるという奇跡が起こったように、今、ヨナにまさる「人の子」(バル・ナーシャー:アラム語でメシア称号)、つまり、主ご自身が、人々の前に立って、悔い改めを迫っておられるのです。
人は死んで、霊だけ(Ⅰテサロニケ5:23、人は霊と魂と体で構成される)になって眠り、復活つまり、裁きの時を待ちます。その時には悔い改めたニネベの人々も、「なぜ悔い改めなかったのか」と声を上げるというのです。今、罪によって心の光を暗くしているなら、私たちには悔い改めという「しるし」が必要です。そうすれば、全身が輝くのです(同36)。