「悪霊と聖霊」 ルカによる福音書11章14-28節
津村春英牧師
私事ですが、昨年末から歯科医院に通っています。歯を削って虫歯菌を除去しますが、その後、空洞のまま放置しておけないので詰め物やかぶせ物をして治療が完成します。私たちの心はどうでしょうか。心が悪しきものによって蝕まれている場合はどうしたらよいのでしょうか。
悪霊(ダイモニオン)とは悪魔(サタン、ここではベルゼブル)の支配下にある諸霊ですが、主イエスの時代には、悪霊に憑りつかれていると表現される多くの人がました。イエスが、口をきけなくする悪霊を追い出されたのを見て、ある人は、イエスは悪霊の頭(かしら・ベルゼブル)の力で追い出していると非難しました。しかし、イエスは彼らの心を見抜いて、悪霊ではなく、「神の指」(出エジプト8:15など)で悪霊を追い出していて、神の国はもうあなたたちのところに来ていると言われました。それから、次の譬えを話されました。「汚れた霊(悪霊)が人から出ていくが、また戻ってくると、その人の心は空いたままだったので、さらに自分以上の悪霊を連れてきて中に入り込んで住み着いた」と。
滑稽な話ですが、笑えません。救われたにもかかわらず、どれだけ多くの人が教会から去って行ったでしょうか。心の罪を赦していただいたなら、その後、心を聖霊に支配していただいて(聖霊に満たされて)、イエス・キリストの十字架の愛、神の愛で心が満たされていなければなりません。私たちはどうでしょうか。