2024年9月29日の礼拝宣教から

「イエスとは誰か」  ルカによる福音書9章1-17節

津村春英牧師

 第28代自由民主党総裁に選ばれた石破茂氏は、同志社の新島襄に学んだ伝道者、金森通倫の曾孫にあたられます。金森の『信仰に入る道』には、罪を説かない説教者は偽物で、本当のキリスト教ではないと非難し、「私のために主は十字架につき、私のためにあの無限の苦しみを忍びたもうたということを信じなければならない。」と説き、その審判は来世になるが、決して来世に無頓着であってはならないと書いています。

 他方、かつて東京大学の総長であったキリスト者、矢内原忠雄は、主イエスのなされた奇跡について、科学の進歩で解明されることは喜ぶべきことであるが、現在の知識をもって説明できないことで、事実そのものを否定することがあってはならないと断言し、主イエスが奇跡を行われる条件はイエスの愛、人の信仰、さらに神の国の真理を教えるための一般的必要であり、今日の大群衆の給食の奇跡は、神の国のひな型を見せてくださったのだと書いています(「奇跡論」他、『イエス伝』)。

 主イエス・キリストは、奇跡を通して、神の国を見せてくださるお方なのです。どんな状況にあっても私たちの必要は満たされるという信仰をもって、その神の国を目指して進みましょう。