2024年9月22日の礼拝宣教から

「ただ信じる」  ルカによる福音書8章40-56節

津村春英牧師

 人は生きている限り、病気から逃れることはできません。病は人生の大きな課題です。今日は2人の病人が登場します。

 主イエスの一行がゲラサの地から帰って来るのを待ちわびていた群衆の中に、重篤の娘を抱えた人がいました。彼は会堂(シナゴーグ)の責任者でありましたが、イエスの足元にひれ伏し、愛娘の癒しを懇願しました。ところが、一行が家に向かう途上、群衆で込み合う中、イエスの後ろから慢性出血病の女性がイエスの衣の房に触れるとその病が癒されたという出来事がありました。彼女は進み出て、事の次第を皆の前で話すと、イエスは、「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。」(8:48)と言われました。その時、会堂の責任者の家から人が来て、娘の死亡が伝えられました。しかし、イエスは、「恐れることはない。ただ信じなさい。そうすれば娘は救われる。」(同50)と約束され、その通りになったのです。

 慢性出血病の娘は12年ほど、貧血状態や痛みだけでなく、レビ記により、「汚れている」とされ、社会的にも苦しんでいたと思われます。後者は慢性でなく突発的な病であったかもしれませんが、12歳の女性は、現代ユダヤ人社会では成人となる年齢であり、当時も将来を期待されていたと思われます。この二つのケースから、主イエスの愛を引き出すのは、「ただ信じること!」だと教えられます。