2024年5月12日の礼拝宣教から

「ハガルよ、恐れることはない」   創世記21章8-21節

津村春英牧師

 今日は「母の日」です。旧約聖書から、母ハガルに起こった出来事を読みましょう。アブラハムとサラには子どもがなく、サラは、自分の女奴隷ハガルとアブラハムとの間に子どもイシュマエルをもうけるようにしました。ところが自分とアブラハムとの間に子どもイサクが与えられると、その乳離れの日に盛大な宴会が催された時に、ハガルの子がイサクと「遊び戯れている」のを見て(ここを、新共同訳は「からかう」と訳していますが、原語は「笑う」の強意形なので、聖書協会共同訳が妥当)、サラはイサクを後継ぎにしたいので、ハガルとイシュマエルを追い出すように、夫アブラハムに頼みます。なお、イサクが1-3歳(?)なら、イシュマエルは14-17歳(創17:25)になります。

 追放されたハガルとイシュマエルが荒れ野をさまよい、ついに水が尽き、最期を覚悟した時に、神の使いから、「ハガルよ、どうしたのか。恐れることはない。神はあそこにいる子供の声を聞かれた」(21:17)と伝えられます。そして、ハガルの目が開かれ、井戸を発見して九死に一生を得たのです。ここに母の苦労と人知を超えた神の愛を知ることができます。母に感謝するとともに、どのようなときも、私たちのために独り子、主イエス・キリストさえお与えくださった神様の愛の内を歩みましょう。