2023年6月25日の礼拝宣教から

「御父の愛」 ヨハネの手紙一2章15~17節(聖書協会共同訳)

津村春英牧師

 「世も世にあるものも、愛してはなりません。世を愛する人がいれば、御父の愛はその人の内にありません。すべて世にあるもの、すなわち、肉の欲、目の欲、見栄を張った生活は、御父から出たものではなく、世から出たものだからです。」(聖書協会共同訳2:15, 16)。下線部は、新しい翻訳の聖書協会共同訳(2018)と新改訳2017では、いずれも旧版の「御父への愛」「御父を愛する愛」から「御父の愛」に訳し変えています。それは、後に続く「世の富を持ちながら、兄弟が必要な物に事欠くのを見て同情しない者があれば、どうして神の愛がそのような者の内にとどまるでしょう。」(3:17)や、「わたしたちが互いに愛し合うならば、神はわたしたちの内にとどまってくださり、神の愛がわたしたちの内で全うされているのです。」(4:12)とも符合します。

 「世」とは、ヨハネ文書では、神の愛の対象でありながら、その神の愛を受け入れない存在です。「肉の欲」は、悪徳、淫行へ導きます。「目の欲」は所有欲、強欲。「見栄を張った生活」は生活のおごりであり、神から求められている愛の実践とは真逆の生き方です。私たちには御父の愛が必要です。神の愛により、試練の中にあっても希望を持ち続けることができるのです(ローマ5:3-5)。私たちの心が御父の愛で満たされるよう、自らを見つめ直しましょう。