2022年4月17日 の礼拝宣教から

「思い起こしなさい」 テモテへの手紙二2章8-13節

津村春英 牧師

イースター、おめでとうございます。使徒パウロは、福音宣教のために苦難を強いられていましたが、次のように勧めています。「イエス・キリストのことを思い起こしなさい。わたしの宣べ伝える福音によれば、この方は、ダビデの子孫で、死者の中から復活されたのです。」(2:8)と。イエス・キリストをいつも「思い起こす」ことが苦難の中を生き抜く鍵であり、希望の源だというのです。そして、「わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きるようになる。」(同11)と言っています。「死ぬ」とは主の十字架であり、「生きる」とは主の復活を意味しています。

コブクロの歌、「共に歩き 共に探し 共に笑い … 共に感じ…共に泣き 共に背負い 共に抱き … 共に築き 共に願い」のように、主と共に生きることが、キリスト者に求められているのです。そのためには、いつも「主を思い起こすこと」が重要なのです。哲学者の故中村雄二郎は、現代人の著しく弱まっている人間的能力は、想起し再認する能力であると指摘し、この想起のための場所やイメージ作りが必要だと述べています(「記憶」『術語集Ⅱ』岩波新書)。自分なりのイメージ作りをしながら、いつも主を思い起こすことができるように努め、希望をもって進みましょう。