「感謝と祈り」 フィリピ信徒への手紙4章4-7節
津村春英 牧師
パウロはフィリピの教会の兄姉に、「あなたがたの広い心がすべての人に知られるようになさい。主はすぐ近くにおられます。」(4:5)と書きました。「広い心」は「寛容」とも訳されますが、私にとっては痛いことばです。通ってきた競争社会では、なかなか寛容になれなかったことを反省しています。この寛容の根拠は、「主はすぐ近くにおられます」であり、主の再臨が近いという意識が積極性を与えるのです。テサロニケ一5:16-18の背景と同じです。
次に、「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。」(同6,7)とあります。「思い煩い」をもたらす原因は一体何でしょうか…。どんな問題でも、神に知っていただくことが大切だというのです。「感謝を込めて祈る」とき、自分の求めが神の御心と融合して一つとなり、御心がなされていくのです。こうして、思い煩いに代わって、神の平和が、心を支配するようになるのです。その保証は、「キリスト・イエスのよって」という主の十字架と復活の出来事にあると教えられます。感謝しつつ祈りましょう。