2021年2月14日の礼拝宣教から 

『ヨセフの信仰・神の摂理』 創世記 50章15-21節

牧師 津村春英

旧約聖書のヨセフは12人男子兄弟の11番目でしたが、その言動により兄たちから恨まれ、結果的にエジプトに売られ、そこでも無実の罪で投獄されます。しかし、ファラオ(王)の夢を解き、エジプトの司政者にまで上り詰めます。その頃、ひどい飢饉があり、かの兄弟たちがカナン地方からエジプトに食料を求めにやってくることによって再会します。何度かの接触の後、ヨセフは言います。「あなたがたはわたしに悪をたくらみましたが、神はそれを善に変え、多くの民の命を救うために、今日のようにしてくださったのです」(50:20)。これがヨセフの信仰であり、神の摂理です。なお、下線部は「あなたがた」と「神」が対照され、しかも、「たくらむ」と「変える」(意訳)と訳されている原語のヘブライ語は、「考える」という同じ単語です。直訳すれば、「あなた方は私に悪を謀ったが、神はその悪を善のために計られた」となります。

主イエス・キリストを、当時の支配者、指導者たちは、ねたみ、恨み、亡き者にしようと謀りました。しかし、神は、その悪を善のために計られました。それは主イエスの十字架刑によって全人類を救うためでした。人生に試練、苦難はつきものです。しかし、神はすべての悪を将来の善として計ってくださるのです。信じて感謝し、今、与えられている務めに励みましょう。