2020年10月4日の礼拝宣教から

『主の復活、何を見たのか』ヨハネ福音書20章1-10節

牧師 津村春英

 「日本学術会議」の新会員について、同会議が推薦した候補者105人のうち6人を除外して首相が任命したことに対して批判の声が上がり、その理由説明が求められています。新約聖書、とりわけ四福音書において登場する人物は、必ずしも同じ比重で書かれてはいません。そこにはそれぞれの書の書かれた目的があり特徴があり、名前が何度もあげられる人、名前さえ出てこない人、クローズアップされる人、ただ名前だけあげられる人など様々です。

 今日の聖書の箇所に登場する「イエスが愛しておられた弟子」は、ヨハネ福音書では重要な人物で、伝統的解釈では十二弟子の一人(13: 23)、ゼベダイの子ヨハネであり、この書を記した人物です(21:24)。そして、この弟子が、「見て、信じた。」(20:8)とあるように、最初に主イエスの復活を信じた人であると記されています。では、何を見て、信じたのでしょうか…。「空っぽの墓」を見て、主の復活を信じたのです。復活された主に直接出会ってはいませんが、信じたのです。これは、私たち現代人に近い状況です。あなたは、主イエスの復活を信じますか。いつか天でまみえる日を望みますか。また、先に逝った、愛する人々と再会できると信じることができますか(cf.ヘブライ11:1)。