2020年8月16日の礼拝宣教から 

『真理に属する者』  ヨハネ福音書18章33-38a節者』

牧師 津村春英

 キリスト者の墓石の多くに、フィリピ3:20の言葉が刻まれています(当教会の墓石にも)。聖書協会共同訳が、「私たちの国籍は天にあります」というふうに、新共同訳が下線部を「本国」と訳したものを口語訳(文語訳)に戻したことは妥当なことです(ただし、ギリシア語のポリテウマの直訳は「市民権」)。このように、キリスト者はそれぞれの国家に属しているだけでなく、御国に属しています。

 「イエスはお答えになった。わたしの国は、この世には属していない。……そこでピラトが、『それでは、やはり王なのか』と言うと、イエスはお答えになった。『わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。』」(18:36, 37)とあります。下線部の「真理」とは神の属性であり、イエス・キリストのうちに啓示されました(1:14; 8:32; 14:6など)。「属する」とは、源泉であり、依って立つことを意味します。この「真理に属する」ことはすべての人に開かれています(3:16など)。あなたは真理に属する人ですか。あなたは天に国籍を持つ人ですか。真理に属すると言う人は、主イエスの言葉を聞かなければなりません。コロナ禍の中でこそ、主の御声を聞き取らなければなりません。