2020年3月15日の礼拝宣教から 

『互いに愛し合いなさい』 ヨハネの手紙一3章11-18節

牧師 津村春英

新型コロナウイルス感染の勢いが止まりません。ついにWHO(世界保健機関)はパンデミック(パン+エピデミック)と認定しました。パンは「全て」、エピデミックは「流行」を意味するギリシア語が語源です。使徒2:10; 17:21にある「滞在する」が関連語で、エピデミックはやがて去っていくものです。

 他方、ヨハネ文書(ヨハネ福音書とヨハネの手紙)のキーワードの一つであるギリシア語メノーは「とどまる」と訳されます。これは、少々のことでは離れない、しっかりとそこにとどまるという語です。今日の箇所でも14, 15, 17節に出てきます。「世の富を持ちながら、兄弟が必要な物に事欠くのを見て同情しない者があれば、どうして神の愛がそのような者の内にとどまるでしょう。子たちよ、言葉や口先だけではなく、行いをもって誠実に愛し合おう。」(3:17, 18)とありますが、当時の共同体の状況を表しています。

故Oご夫妻のモットーは、「人がなすべき善を知りながら、それを行わないのは、その人にとって罪です。」(ヤコブ4:17)でした。子は与えられなかったのですが、晩年お二人で、礼拝に来ることができない兄姉をよく訪ねられました。ちらし寿司やおこわ(赤飯)をプラスチックのパックに詰め、リュックにしょって訪問される姿を忘れることができません。