2019年12月22日の礼拝宣教から

『世界一の飼い葉桶』 ルカによる福音書2章8-20節

牧師 津村春英

クリスマスソングの定番はやはり、「きよしこの夜」(由木康・訳)です。原曲のドイツ語Stille Nachtにも、それを訳した英語Silent Nightにも、「まぶね(馬槽)・飼い葉桶」という言葉は出てきませんが、「まぶね」は日本語の歌詞として定着しています。

ルカ福音書の誕生物語には、「飼い葉桶」が3回(2:7; 2:12,16)出てきます。「彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。」(2:6, 7)とあります。どうして、神様は彼らに暖かい客間を用意してくださらなかったのでしょうか…。しかし、「飼い葉桶」に寝かされたメシアだからこそ、どんな人をも救うことができるのかもしれません。救い主、メシアが寝かせられたそのベッドは、宮殿の豪華な部屋のものではなく、外側が宝石で飾られたものでも、純金製でもありません。むしろ、家畜用の「飼い葉桶」でした。メシアすなわちキリストは、「飼い葉桶」に寝かされていたと繰り返されます。ただし、この「飼い葉桶」は、その中におられるキリストが重要なのです。このお方が、すべての人を罪から救ってくださるお方なのです。ですから、このキリストを抱いた飼い葉桶は世界一の飼い葉桶ではないでしょうか。