2019年12月8日の第2部礼拝宣教から  

『涙が喜びに変わる時』 詩編126篇1‐6節

主幹牧師 津村春英

 先週、アフガニスタンの地で凶弾に倒れた中村哲医師は、医療活動が原点でした。やがて支援の次元を広げて井戸堀に精を出され、砂漠を緑化する大きな貢献をされました。

 詩編の都上りの歌といわれる126篇には、「主よ、ネゲブに川の流れを導くかのように/わたしたちの捕われ人を連れ帰ってください。」(126:4)とあります。下線部は「繁栄を再びもたらしてください」(聖書協会共同訳)とも訳されています。ネゲブ(南の意)の乾燥地帯が潤う時があります。雨季にはその渇ききった地に雨水が激しく流れる、そのように、イスラエルが回復されるよう祈っているのです。さらに続いて、「涙と共に種を蒔く人は/喜びの歌と共に刈り入れる。 種の袋を背負い、泣きながら出て行った人は/束ねた穂を背負い/喜びの歌をうたいながら帰ってくる。」(126:5, 6)とあります。

クリスマス、それは涙が喜びに変わる時です。回復の時です。救い主の誕生に、民は希望を抱きました。ただし、生み出されるまでのマリアやヨセフの苦闘なくしては実現しなかったことも忘れてはなりません。種を蒔くことは福音宣教にも例えられます。先の中村氏は、「あの山のすそまで水を引くんですよ」と言われたそうです。このクリスマスの良き日、私たちも宣教に励みましょう。