2019年5月12日の礼拝宣教から 

『見えないものに目を注ぐ』 コリントの信徒への手紙二4章16-5章10節

主幹牧師 津村春英

 今日は「母の日」。誰もが肉親の母を持っています。信仰の面でも母親的存在はあります。そういう人々によって育てられたことに神に感謝したいと思います。パウロとコリントにある教会の人々との関係も同様でしょうか。パウロは自分の身をもってその生き方を示しました。「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」(18)と書いています。見えるもの(地上のもの)に左右されず、見えないもの(天上のもの、あるいは天から与えられるもの)に目標を置く生き方が奨励されているのです。サン・テグジュベリ『星の王子さま』の中にも、「いちばん大切なことは目に見えない。ものごとはね、心で見なくては良く見えない」という言葉があります。わたしたち風に焼き直すと、「目に見えるものによらず、信仰によって歩んでいる」(5:7)ということでしょうか。

 自分がボロボロだと思うだけでなく、他人からもそう見えたとしても、落胆しません。「たとえわたしたちの『外なる人』は衰えていくとしても、わたしたちの『内なる人』は日々新たにされていきます。」(4:16)との言葉に励まされ、見えないものに目を注ぎつつ、主に喜ばれるよう歩んで行きましょう。