『心に輝く光』 コリントの信徒への手紙二4章1-6節
主幹牧師 津村春英
「なぜなら、『闇から光が照り出でよ』と言われた神は、私たちの心の中を照らし、イエス・キリストの御顔にある神の栄光を悟る光を与えてくださったのです」(聖書協会共同訳・4:6)。この文の主語は、創世記にでてくる、「光あれ」(創世記1:3)と言われた「神」です。主動詞は「(私たちの心の中を)照らしてくださった」なのです。そして、その光は、十字架の死と復活を通して勝利されたイエス・キリストの御顔に輝く神の栄光を悟るための光だというのです。ヘルマン・ホイヴェルス神父はその著『人生の秋に』の中で、イエス・キリストは、「人としてこの世の中に降り、議論や疑問によって悪を解明しようとなさらずに、かえって、苦しみと死と復活をもって問題を解決された。」と書いています。また、詩人の八木重吉は「理屈は いちばん低い真理だ 理屈が無くてもいい位もえよう」(『八木重吉死と生涯と信仰』)という詩を書いています。人間関係の問題の解決の糸口は、理屈ではなく愛なのです。イエス・キリストがお示しになった愛なのです。
私たしたちも、心の覆いを取り去っていただき、神の光を十分に照らしてもらって、もっともっと、主イエスのことがわかるようにしていただきたい。そして、主イエスがそうであるように、わたしたちも愛の人に変えていただきたい。