2018年12月9日の礼拝宣教から

『すべての人を照らす光』ヨハネによる福音書 1章1‐9節

主幹牧師 津村春英

 日本聖書協会から新しい翻訳聖書「聖書協会共同訳」が出版されました。このプロジェクトに6年余り新約部門の翻訳兼編集委員として携わった者としては喜ばしい限りです。この新しい訳では、ヨハネ福音書1章3-4節は、「万物は言によって成った。言によらずに成ったものは何一つなかった。言の内に成ったものは、命であった。この命は人の光であった。」、5節は、「光は闇の中で輝いている。闇は光に勝たなかった。」と訳されています。また、9節は、「まことの光があった。その光は世に来て、すべての人を照らすのである。」と訳されています。光はイエス・キリストのことで、クリスマスにふさわしいメッセージです。


 ところで、「闇」という漢字は、門を閉じて光が入らない状態で、音の意味するところは「視覚によらない」という説があります。しかし、門を開けば光が差し込んでくるということです。私たちは、①まず、光に気づくことです。②そして、心を開いてその光を受け入れ、③さらに、その光の中を歩み続けることです(エフェソ5:8)。どんな闇もこの光には勝てません。ヨハネ福音書4章の5人の夫がいたサマリアの女性も、5章のベトザタの池のほとりに横たえられていた38年間もの病気の人も、8章の姦通の場で捕らえられた女性も、9章の生まれながら目の不自由な人も、この光を受け入れ、癒され、救われ、人生が変えられたのです。