2018年10月7日の礼拝宣教から

『造り上げる賜物』コリント一 14章1-25節

主幹牧師 津村春英

 今年もノーベル賞の受賞者が発表され、本庶佑(ほんじょ たすく)さんがノーベル医学生理学賞に選ばれました。そのインタビューで基礎研究の大切さを説かれ、医者としては何百人か何千人を助けることができるかもしれないが、基礎研究の成果により、何百万人の人が、自分が死んだ後も、恩恵を受けることができるのは喜びだと語っておられたのが印象的です。ノーベル賞受賞者の選定は、どれだけ多くの人に影響を与えたかが基準だそうです。


 コリント信徒への第一の手紙が書かれた時代には、教会で異言を語ることや預言を語ることが盛んになされていました。それらは霊の賜物と位置付けられていますが、現代でもこの様な賜物を強調する教会やグループがあります。そうではない教会では今一つイメージがわかないと思われますが、いずれにせよ、問題は、「異言を語る者が自分を造り上げるのに対して、預言する者は教会を造り上げます。」(14:4)にあります。また異言は、教会に来て間もない人や新来会者にとっては分からない言葉であるのに対し、預言は人々に自分の罪を悟らせ、神を見出させるとあります(同24、25)。つまり、預言は個人だけではなく、多くの人に影響を与えるというのです。預言とは、神によって与えられた言葉です。お互いの成長のために、真に神の言葉を語り合い、分かち合うことのできる教会でありたいものです。