2020年6月28日の礼拝宣教から

『主イエスの平和』ヨハネ福音書14章25-31節

牧師 津村春英

先週の6月23日は太平洋戦争沖縄戦の犠牲者24万1593人の慰霊日でした。「平和の礎」の石碑にその名が刻まれているそうです。現在の平和はこれらの人々の上に築かれていることを忘れてはなりません。今、私たちはコロナ禍と戦っていますが、一刻も早くワクチンや薬が開発され、いろいろな制約から解放されて自由に生活できることを望んでいます。

聖書のヘブライ語シャーローム、その翻訳ギリシア語エイレーネー(現代ギリシア語ではイリニ)の邦訳には、「平和」と「平安」という語が当てられます。ヨハネ福音書では戦いという要素があり、「平和」と訳すのが適当と考えます。例えば、「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」(16:33)とあります。

確かに、主イエスは間もなく弟子たちのところから去られ、十字架に向かわれます。そして葬られますが、復活され、昇天されます。ヨハネ福音書版の最後の晩餐の席で、「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。」(14:27)と言われました。信仰をもってこの御言葉を受け入れ、心から感謝しましょう。