『御父の愛はその人の内に』 ヨハネの手紙一2章12-17節
牧師 津村春英
出口が未だ見えない新型コロナウイルス感染。PCR検査という、耳新しい言葉が出てきました。患者から採取した検体を検査して、その人の内にウイルスが「ある」か「ない」かを、判定するそうです。
聖書には、「その人の内に御父の愛がない」(新しい『聖書協会共同訳』『新改訳2017』ともに以前の「御父への愛」「御父を愛する愛」から変更)ということばがあります。何とも恐ろしいことでしょうか。ではそれは、どのようにして判定するのでしょうか。「世も世にあるものも、愛してはなりません。世を愛する人がいれば、御父の愛はその人の内にありません」(聖書協会共同訳2:15)。なぜなら、「すべて世にあるもの、すなわち、肉の欲、目の欲、見栄を張った生活は、父から出たものではなく、世から出たものだからです。世も、世の欲も、過ぎ去ります。しかし、神の御心を行う者は、永遠にとどまります。」(同訳2:16, 17)とあります。
私たちの趣味や娯楽がすべて悪だというのではなく、信仰という観点から、私たちを誘惑し、堕落させ、信仰の力を奪う、そういう世的なもの、つまり、肉の欲、目の欲、驕り(おごり)、そんなものは必ず過ぎ去っていくのです。他方、神が喜ばれる御心を行い、神のみことばに生きることによって、私たちの内に神の愛が「ある」というのです。