2025年8月3日の礼拝宣教から

「人の子が現れる日」 ルカ福音書17章20-37節

牧師 津村春英

 先週、カムチャッカ半島沖で発生したマグニチュード8.7という大地震により発生した津波のために、日本列島の沿岸地域の住民は、危険な暑さの中、高台への避難を余儀なくされました。テレビでは、後ろを振り返らないでひたすら逃げるようにとのアナウンスが繰り返されました。

 ファリサイ派の人々の関心は、神の国の到来でした。しかし主イエスは、神の国は観察できるような仕方ではなく、あなたがた間(語義は「心の中」)にあると言われました。さらに主イエスは、「人の子が現れる日」には、ノアの時代にあったようなことが起こり、また、ロトの時代にあったようなことが起こると言われました。それは厳粛な裁きの日です。その日には、屋上にいる者は、家財道具を取りに家の中に降りてはならず(階段は外にあった)、畑にいる者も帰ってはならないと言われたのは、振り向いて塩の柱になったロトの妻のように、この世の富に執着することなく、ひたすら神のもとに逃れるようにとの勧めなのです。私たちの人生は、ラヴェルのボレロのように必ずしもクレシェンドではありませんが、心の中にあると言われる神の国は、日々成長するように求められているのです。