「あけぼのの光が訪れる」 ルカによる福音書1章67~80節
津村春英牧師
過日、亡くなった谷村新司さんがある番組で、「歌を歌っていたら戦争なんかしない、できない」と語っていたのが印象的でした。また、歌が歌えるということは何と素晴らしいことでしょうか。
バプテスマのヨハネと後に呼ばれる人の父ザカリヤは、霊に満たされて歌いました。まず、息子ヨハネの使命について、「主に先立って道を整え、民に罪の赦しによる救いを知らせる」と預言し、そして、この救いは、「我らの神の憐れみの心による。この憐れみによって、高い所からあけぼのの光が我らを訪れ、暗闇と死の陰に座している者たちを照らし、我らの歩みを平和に導く。」(1:78, 79)と歌いました。「あけぼのの光」の原語は「東、日の出、朝日」を意味し、「訪れる」は旧約聖書の用法の「顧みる」の意で、やがて生まれ出る主イエス・キリストとその働きを、旧約聖書の預言者たちのように預言して歌いました。
1960年代のフォークソング「朝日のあたる家」House of the rising sunは、自分の歩んできた半生を振り返り、こんなふうになってはいけないというメッセージを告げています。「暗闇と死の陰に座している者」とは誰のことですか。一回しかない人生です。悔い改めるなら、主の憐れみによって、人は変わることができます。あけぼのの光を待ち望み、光を受けて立ち上がりましょう。