2022年9月4日の礼拝宣教から

「永遠の栄光に招かれた者」  ペトロの手紙一5章8-11節

津村 春英 牧師

19世紀のクリミヤ戦争で名をはせたナイチンゲールは、当時の陸軍病院での死亡の大半は、負傷よりも感染症が原因であることを突き止めたと言われます。現在、私たちは新型コロナウイルスの感染防止に努めていますが、一般的に、感染は病原体の感染力と人の免疫力に関係するそうです。

ペトロの手紙一は、迫害をはじめ、いろいろな苦しみの中にいるキリスト者を励ますために書かれたと考えられます。「信仰にしっかり踏みとどまって、悪魔に抵抗しなさい。」(5:9)とありますが、主イエスを信じる信仰という免疫力によって、ぐらつかないで、悪魔に対峙しなさいと励ましています。獲物を探し回っているライオン(悪魔の比喩)に対して、少しでも隙(すき)を見せると襲いかかられます。勇ましく言っても、とても勝てる相手ではありません。なお、上記の下線部の原語は、「抵抗する」(新共同訳)や「対抗する」(新改訳2017)ではなく、「向き合って立つ」という語です。

こうして、「キリストを通してあなたがたを永遠の栄光へ招いてくださった神ご自身が、あなたがたをしばらくの苦しみの後で癒やし、強め、力づけ、揺らぐことがないようにしてくださいます。」(同10)とあるように、キリストによって永遠の栄光に招かれた者として、信仰によって歩みましょう。