2024年9月1日の礼拝宣教から

「強くあれ、恐れるな」 イザヤ書35章1-4節 

津村春英牧師

 台風10号は今までにない進路と遅いスピードで、台風の中心から遠く離れた地域にも線状降水帯が発生し、甚大な被害をもたらしました。台風、豪雨、地震などの自然現象は避けることができません。人生における試練も同様です。

 南ユダ王国に立てられた預言者イザヤは、北から迫り来るアッシリアの脅威におののく国家とその人々に対して、救いは、主なる神にのみにあると訴えました。「荒れ野よ、荒れ地よ、喜び躍れ/砂漠よ、喜び、花を咲かせよ/野ばらの花を一面に咲かせよ」(35:1)と預言しました。荒れ野は人の住まない所、荒れ地は水のない所であり、砂漠と共に、国家とその人々の最悪の状況を暗示しています。しかし、そこに必ず花が咲くというのです(この「花」は原語の語源から球根のあるクロッカス、イヌサフラン、すいせんのような花と思われます)。さらに、「心を騒がせている者たちに言いなさい。/「強くあれ、恐れるな。/見よ、あなたがたの神を。/報復が、神の報いが来る。/神は来られ、あなたがたを救う。」(同4・聖書協会共同訳)と語りました。「心を騒がせている者」の原語は「急ぐ」という意味合いがあり、「神の救いの時」を待てない者を指しています。

 試練の中でこそ、主イエスのもとに行き、主イエスに学び、安らぎを得て(マタイ11:28、29)、希望に生きるキリスト者でありたいと思います。