2021年11月7日の礼拝宣教から

「先人に思いをはせる」  ヘブライ人への手紙13章1-8節

津村 春英 牧師

日本のプロテスタント・キリスト教会、とりわけ福音派を標榜する教会の信仰者は、ともすれば先祖を軽視しがちだと思います。それは祖先崇拝に至ることを危惧するからです。ところが旧約聖書の歴史書には多くの系図が見られ、新約聖書でもマタイ福音書は系図で始まっています。ですから、キリスト者も先祖を大切にすべきだと思うのです。だからと言って、お骨やお墓を拝むのではありません。拝むべき方は神様だけです。

ヘブライ書11章では旧約聖書に出てくる信仰の偉人が列挙され、12章ではそのような偉人に雲のように囲まれているので、各々、定められた人生レースを走り抜くように勧められています。そして、「あなたがたに神の言葉を語った指導者たちのことを、思い出しなさい。彼らの生涯の終わりをしっかり見て、その信仰を見倣いなさい。」(13:7)とあります。雲のように群れなす人々の中に、私たちより先にその道を完走した信仰者の家族も含めたいと思います。彼らも私たちにみ言葉を語りました。「思い出しなさい」は「覚えていなさい、心に留めていなさい」とも訳すことができ、継続した勧めなのです。先人が厳しい現実の中にあっても信じ抜いたお方、イエス・キリストは、昨日(過去)も、今日(現在)も、いつまでも(未来)変わらない、と約束されています(同8)。先人の信仰に倣って希望をもって進みたいと思います。