「小作人のたとえ」 ルカによる福音書20章9-19節
牧師 津村春英
二人の日本人が立て続けにノーベル賞を受賞しました。生理学・医学賞の坂口志文氏は、多くの学者が存在そのものを否定していた制御性T細胞を発見したことが評価されました。化学賞の北川進氏は多孔性金属錯体の開発が評価されました。北川氏はインタビューの中で、ことわざ「無用の用」を引用し、役に立たないと決めつけて安易に捨てないことが重要だと語っておられました。
主イエスは、イエスがメシアであることを否定するユダヤ当局者と民を前にして、ぶどう園の小作人のたとえを語られました。小作人たちは、収穫時期に地主から三度も遣わされた僕たち(旧約の預言者たち)に対し、収穫を納めないばかりか、かえって狼藉(ろうぜき)を働いて追い返しました。最後に遣わされた地主の息子(イエス)に至っては、抹殺して外に放り出してしまったのです(都の外での十字架)。それは、あたかも建築家が無用の石として捨てた石が、後に建造物の要の石になることだと、主は当局者を暗に非難されました。
私たちも豊かな恵みを与えられている小作人のようです。持ち物はすべて天の神様からの借り物なのです。得た祝福に対して感謝を表さなければいけないと思いませんか。この悪しき小作人たちのようであってはならないのです。