2021年5月9日の礼拝宣教から

『あなたの父と母を敬いなさい』 エフェソの信徒への手紙6章1-3節

牧師 津村春英

今日は教会暦では母の日です。一日中は無理としても、しばし、日頃の母の労をねぎらい、母に感謝を表したいと思います。また、亡き母の場合は、母を偲び、心の内で感謝したいと思います。

エフェソ書6章の「『父と母を敬いなさい。』これは第一の戒めで、次の約束を伴います。そうすれば、あなたは幸せになり、地上で長く生きることができる。」(2, 3節)は、旧約聖書の「十戒」の第五戒の引用で、周りの人々との関係についての最初の戒めです。ここの「敬う」は、出エジプト記20:12のヘブライ語では「重い」を意味する語で「重んじる」こと、新約聖書のギリシア語では、七十人訳聖書を経て、高い「価値」を表す語が使われています。

肺癌で43歳で召された牧師夫人、原崎百子さんは4人のお子さんに次の言葉を残しています。「あなたがたは信ずるだろうか、この母が、あなたたちをこよなく愛していることを。…あなたたちを、この体の中ではぐくみ、父と共に、感謝と喜びをもって、迎え、抱き、育て、力を合わせていつくしんできたことを。あなたがたが、この母の愛をもし信ずるならば、どうか信じて欲しい、神さまの愛を信じて欲しい。一人一人をかけがいのないものとして、いつくしんで下さっている神さまの愛を、信じて欲しい。」(『わが涙よわが歌となれ』p.135)。私たちの母からの伝言と受けとめてはどうでしょうか。