「目を覚ましていなさい」 ルカ福音書21章34-38節
津村 春英牧師
米国では、聖書を字義通りに解釈する宗教的右派で、白人至上主義的、親イスラエルの「福音派」が、トランプ大統領を支えていると言われます(加藤喜之『福音派-終末論に引き裂かれるアメリカ社会』中公新書,2025.)。しかし、聖書のことばには隠喩もあり、時代や文化などの衣を着ている場合もあります。
主イエスは、「放縦や深酒や生活の煩いで、心が鈍くならないように注意しなさい。さもないと、その日が不意に罠のようにあなたがたを襲うことになる。…しかし、あなたがたは、起ころうとしているこれらすべてのことから逃れて、人の子の前に立つことができるように、いつも目を覚まして祈りなさい。」(ルカ21:34-36)と言われました。最初の下線部の原語は、飲みすぎた結果の状態を表し、次の下線部の直訳は「心が重い」で、重要なことを考えることができない心の状態を表しています。最後の下線部の「目を覚まして」も当時の人々の飲酒習慣と関係のある表現です(テサロニケ一5:6~8やペトロ一1:13の「身を慎む」は「しらふ」の意)。「その日」とは、主イエス・キリストの再臨の日で、審判の日です。N.T.ライトは、この「目を覚ます」とは、キリスト者として、いつものことをいつものようにすることであると説明しています(『すべての人のためのルカ福音書』津村訳,教文館,2025,p.384.)。目を覚ましていましょう!